さて、今回は淋病についての2回目のお話をしようか。 男性の場合、「痛みと膿の嵐」とも言える淋病が、 女性の患者さんだとどうなるか、みなさんわかりますか? 男性の時にあれほど暴れん坊だった淋菌が、相手が女性だと、 まるで、「寝ている赤ちゃん」のように静かになってしまうんだな。 でもね、間違えちゃいけないよ。これは、見かけの症状が、静かなだけで、実際、身体の内部では、大変なことが起きている事もあるんだ。 『彼と2週間前にSEXしたんだけど、その時は別になんでも ありませんでした。あっ、コンドームはちゃんとしましたよ。 彼の射精の前に。しばらくしてから、ちょっとおりものが変になって きて、膣の入り口がかゆくなったり、おしっこすると、おしっこが出る ところがしみたり。なんだか怖くなって来院しました。 先生、わたしって、性病ですかぁ?それとも、体質ぅ?』 こんな風な方が多いと思います。ただ、ちゃんと、医療機関に くるだけ、君はえらいって感じです。さあ、治そうね。 それじゃあ、今回もまた、ちょっとだけ、お勉強いたしましょう。 淋病の頻度 STDとしての淋病は非常にポピュラーな疾患であるといえます。 アメリカ合衆国のCDCには、年間約35万人の、新規の淋病患者が 報告されますが、実際には、この倍の70万人の新規患者が存在すると推測されています。 上の数字に基づいて淋病の有病率をはじきだすと、人口10万人に 対して125人つまり、米国民の0.125%が淋病ということになる。 これは一見少なく感じられるかもしれないが、たぶんすごいぞ。これは。 そういえば、我々の世界では、淋菌のことを「ゴノ」って呼んでる。 名前だけ聞くと、何だか、かわいい感じがするよね。

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