1948年に施行された「性病予防法」によると、
その当時、性病と定義された疾患は、
①梅毒
②淋病
③軟性下疳
④ソケイリンパ肉芽腫症
の4つでありました。
時はめぐり、1999年に施行された「感染症新法」によれば、
1~4類に分類された感染症の中から、
4類感染症の全数把握対象疾患として、(2003年からは5類となりました)
①AIDS
②梅毒
同じく4類の定点把握対象疾患として、(2003年からは5類となりました)
③性器クラミジア感染症
④性器ヘルペスウィルス感染症
⑤尖圭コンジローム
⑥淋菌感染症
と、大きく様変わりしています。
対象疾患が変わったということは、実際に流行している疾患も違うし、
病因論的にも、治療学的にも、また、予防学的にも、
以前とはちがうアプローチをしなければならないことを意味しています。
また、日本性感染症学会では2004年度のガイドラインで、
上記の6疾患に加えて、
⑦性器カンジダ症
⑧膣トリコモナス症
⑨ケジラミ症
⑩細菌性膣症
⑪非クラミジア性非淋菌性尿道炎
⑫性器伝染性軟属腫
⑬軟性下疳
⑭ウィルス性肝炎(A型・B型・C型・G型)
⑮赤痢アメーバ
以上9疾患を加え、計15疾患を対象疾患としてとらえています。
つまり、我々をとりまく性感染症は、現代では多岐にわたっており、
全体像がよりとらえにくくなってるといえるでしょう。
このサイトでは前述の6疾患はもちろんですが、実際の臨床の現場で
見かける病態を優先して取り上げますので、ガイドラインとは、若干の
ずれが生じるかもしれませんが、ご了承ください。