どんな風におかしいのかと、尋ねてみると、
「おりものの量がちょっと増えて、黄色っぽくて、時々、出血がほんの少し出る感じです。あっ、あと、お腹が何となく痛いで~す。」
とのこと。
早速、診察してみると、確かに、すっごく悪い感じはしない。
だけど、検体を採取するために、綿棒を子宮の入り口部(頸管)で、回転させると、その部位から、うっすらと出血してくる。
いわゆる子宮頚管炎っていうやつだね。これは。
あと、気付いたことといえば、双合診にて、子宮およびその周辺に、軽い圧痛(押した時に痛むこと)が認められたこと。
あらゆる感染症の可能性があったため、分泌物培養、クラミジアPCR、子宮膣頸管細胞診をおこなったわけであるが、
結果は、分泌物からは、ガードネレラが検出され、クラミジアは陽性に、細胞診はクラスⅡで炎症性の変化が認められた。
当然、クラミジア感染症である彼女の治療は、抗生剤の経口投与となるわけであるが、最近では、アジスロマイシン1000mgの1回のみの服用で、約10日目には、病原体であるクラミジア・トラコマティスが子宮頚管からいなくなるっていう、なんともすばらしい治療が、トレンドである。
それにしても、世界一の製薬会社、ファイザーの考えることはすごい。飲み薬なのに、一回こっきり。
この乗りは、何か他の病気でもあったな?と考えていたら、そうだ、ぎょう虫の治療薬である、コンバントリンっていうのも、トリコモナス治療のフラジールっていう飲み薬も、確か、一回投与で治すんだったなってことを思い出した。
これらも、ファイザーの薬だよ。すごいな。ほんと。
話は、横道にそれたけど、Oさんの場合、もちろん、彼の方も治さなきゃいけないよね。あたりまえだけど。
で、できたら、男女とも治療は早ければ、早いほうがいいな。
どうしてかというと、クラミジアによる続発症のため。
これは、男性よりも女性のほうが深刻な問題になる。
普通、感染症っていうものをイメージした時、人体に病原体が、巣喰ってるって感じでしょ?
だから、抗生剤などを使って、病原体を殺してしまえばそれで終わり。治ったって感じ思うじゃない?
でも、よく考えてみて。小さい時に、膝小僧にけがをして、いまだにその傷あとが残っているっていうことはない?
あるでしょ。
そういった状態を、瘢痕治癒っていうんだけど、もし、そういったことが、お腹の中で起こったら、どうする?
女性だったら、薬でちゃんとクラミジアはやっつけたのに、卵管という、とっても大切な器官(チューブみたいな構造です。)の
内部が、くっついちゃったり、ふさがっちゃったりして、本来の役割をしてくれなくなっちゃうでしょ。
しかも、それどころか、本来妊娠っていうのは子宮内で成立するのに、卵管が壊れちゃってるために、受精卵の輸送障害が起きて、
子宮外妊娠っていう、へたすれば、命を落としかねないことになってしまうかもしれない。
だから、すぐに治したいわけ。
もっというと、罹らないようにしてほしいわけ。
お願いします。
もちろん、今回のOさんは、もう薬をのみ終えていて、1ヶ月したら、再検査して、治ったかどうか、みてみることになってる。
(彼も別の医療機関で治療したとのこと。)
もし、その時、陽性だったら、彼が悪いってことになる。(かな?)
まとめです。
クラミジアの♀の症状は、
1.おりもののびみょーな変化(量↑・色がいつもと違う)
2.出血少々
3.腹痛なんとなく
4.治っても将来の不安(妊娠に対して)
みんな、ほんとに、頼んだよ。