最近、HIV感染者やエイズ患者の数にあまり反応しない人が増えている気がします。
たまには、その実態を知ってもらう意味で届出数などを報告してみたいと思います。
感染者(感染はしているが免疫不全が発症していない)の届出数は全42件で、
内訳は、男性40件、女性2件でした。
これを年齢別にみてみると、以下のようになります。
20代 10件
30代 15件
40代 10件
50代 2件
60代以上 5件
また、患者(免疫不全が発症している)の届出数は17件でこれは全例男性でした。
年齢別では以下のようになります。
30代 7件
40代 8件
60代以上 2件
これら、HIV感染者・エイズ患者合計の59件の内訳は以下のようです。
国籍: 日本籍53件 外国籍6件
感染地: 日本46件 外国3件 不明10件
感染経路: 同性間性的接触43件 異性間性的接触6件 その他2件 不明8件
この疾患は、かつて、外国人のものだといわれていました。
しかし、これらの数字をみていただければ分かるとおり、
今や日本でもあたりまえに見られる感染症となっています。
ただ、かつて東京都南新宿検査・相談所の小島先生のご指摘にあったように、
検査には本当にリスクのある群がまだ来ていない。また、来ていても嘘をつく。
検査で出てくる数字、内容を吟味すべき。
ということから考えれば、これらの数字は氷山の一角で、実数はもっと多く、
もっと同性間にかたよる可能性があり、ということになるのではないでしょうか。
当院で診断したHIV陽性者も、同性間性的接触の事はだいぶ後になってから聞かされたし、
相談所で全ての受診者がいきなり自分のセクシャリティーを語るというのは
少々現実離れしているような気がします。
さて、この先の動向も追いかける必要がありますね。また報告します。